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コンデンサとは

コンデンサは、電荷を蓄えたり、直流信号を遮断し、交流信号を通す機能を持った電子部品で、電子回路を構成する上で重要な役割を果たしています。
バックアップ(電池)用途、デカップリング(ノイズ除去)用途、カップリング(直流バイアス電圧除去)用途等で使用されます。
今日では、スマートフォン、ウェアブル端末、データセンター、基地局、産業機器、車載機器等、あらゆるアプリケーションに使用されており、コンデンサは、抵抗器やインダクタ(コイル)と並んで代表的な受動部品の一つです。
また、日本ではコンデンサ(Condenser)、海外ではキャパシタ(Capacitor)と呼ばれることが多いようです。

各種コンデンサの構造・特徴

コンデンサには色々な種類がありますが、基本的な構造は、絶縁体(誘電体)を電極で挟んだ構造となっており、電圧を印加することにより電荷が蓄えられます。
実際の製品においては、単板型、トレンチ型、積層型、電解型、巻回型などがあります。
また、コンデンサに使用される誘電体や電極の材料により、以下のような特徴があります。
極性の有無、小型・大型・薄型・低背、使用温度範囲、静電容量の大きさ、定格電圧の範囲、高周波特性、静電容量の安定性、圧電効果による音鳴りの有無など。
コンデンサを選定する際は、各種コンデンサの特徴を理解する必要があります。

【コンデンサの種類と特徴】

※横にスクロールできます

  シリコンキャパシタ 積層セラミックコンデンサ タンタルコンデンサ アルミ電解コンデンサ
製品外観
電極① コンデンサ模式図  ドープシリコン ニッケル タンタル
(陽極)
アルミ
(陽極)
誘電体 酸化シリコンまたは
窒化シリコン
温度補償用
セラミック
高誘電率系
セラミック
五酸化タンタル 酸化アルミニウム
電極② ドープシリコン ニッケル 二酸化マンガン
(陰極)
導電性高分子
(陰極)
電解液
(陰極)
導電性高分子
(陰極)
極性 なし なし 有り 有り
小型 × ×
薄型・低背 × ×
使用温度範囲
大静電容量 ×
高定格電圧
高絶縁抵抗
(低リーク電流)
高周波特性 × ×
容量の
安定性
DC
バイアス
×
温度 × ×
高信頼性 × ×
音鳴り なし 有り なし なし
長所 低背・小型
高周波特性がよい
使用可能温度が高い
容量の安定性が高い
高信頼性
高ESD耐量
(TVS保護素子内蔵可能)
圧電効果が無く、音鳴り無し
小型
高周波特性がよい
容量の安定性が高い
小型
高周波特性がよい
小型大容量
容量の安定性が高い
小型大容量
容量の安定性が高い
二酸化マンガン品より低ESRで、高許容リプル電流
大容量
ラインアップが豊富
大容量
容量の安定性が高い
電解液品より低ESRで、高許容リプル電流
短所 静電容量が小さい
ラインアップが少ない
静電容量が小さい
圧電効果により音鳴りが発生
基板分割や温度変化時に、クラックが発生しやすい
容量の安定性が低い
圧電効果により音鳴りが発生
基板分割や温度変化時に、 クラックが発生しやすい
ショートモードで故障
有極性
ショートモードで故障
有極性
製品サイズが大きい
液漏れにより寿命が短い
有極性
製品サイズが大きい
有極性

◎:大変優れている  〇:優れている  △:ふつう  ×:劣る

静電容量について

静電容量は、コンデンサの代表的な電気特性です。
一般的に以下の式で表されます。
静電容量=εr×ε0×S/d
(εr:誘電体の比誘電率, ε0:真空の誘電率=8.9×10-12[F/m], S:電極の表面積, d:誘電体の厚み)

静電容量
コンデンサの回路記号

この式が示すように、静電容量は、電極の表面積および誘電体の比誘電率に比例し、誘電体の厚みに反比例します。
比誘電率は、使用する誘電体材料の固有の値になります。
静電容量の単位はF(ファラッド)で、実際には、pF(ピコファラッド)、nF(ナノファラッド)、μF(マイクロファラッド)、mF(ミリファラッド)などが使われます。
( 10-12[F]=1pF, 10-9[F]=1nF, 10-6[F]=1[μF], 10-3[F]=1[mF] )

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