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GaNとは

GaN(Gallium Nitride:窒化ガリウム)は、Ga(ガリウム)とN(窒素)元素で構成される化合物半導体材料です。
化合物半導体とは、半導体の一種であり、2つ以上の元素が結びついて構成された半導体です。
その他の化合物半導体では、SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)、GaAs(Gallium Arsenide:ガリウム砒素)、InAs(Indium Arsenide:インジウム砒素)等があります。
Siの物性値と比較すると、GaNの物性は、高温動作、高速動作、動作限界電圧、低消費電力の優れた特長があります。
また、Siとは違い、GaNやSiCはバンドギャップが大きく、ワイドバンドギャップ半導体と呼ばれています。バンドギャップが大きい程、高耐圧化が可能になります。

半導体の物性値比較表はこちら >
Electron Mobility(cm2/Vs):GaN(2DEG=2Dimensional Electron Gas) 1500~2000

バンドギャップとは

電子が持つことのできるエネルギーは、エネルギー準位と呼ばれる電子軌道(s軌道, p軌道)に対応したある特定の値になります。このエネルギー準位の範囲のことをエネルギーバンド(エネルギー帯)と言います。
特に、エネルギー準位の高いエネルギーバンドを伝導帯、エネルギー準位の低いエネルギーバンドを価電子帯と呼びます。

また、エネルギーバンド間には電子が存在できない範囲が禁制帯で、禁制帯の上端と下端のエネルギー準位の差をバンドギャップと呼びます。
言い換えると、バンドギャップとは、電子が価電子帯から伝導帯に遷移するために必要なエネルギーです。
Siは1.12eV、SiCは3.26eV、GaNは3.5eVで、この中で一番大きいバンドギャップをもつのがGaNです。
バンドギャップを表す単位はeV(エレクトロンボルト)で、「1個の電子が1Vの電圧で加速された時に得るエネルギー」と定義され、1[eV]≒1.602×10-19[J] です。

温度が上昇すると熱エネルギーによって、電子が価電子帯から伝導帯に遷移するという現象が生じます(想定しない動作)。
電子が遷移するためには、ワイドバンドギャップ半導体のGaNやSiCは、Siより高い熱エネルギーが必要になります。このため、GaNやSiCは高耐圧化が可能となります。

シリコン原子
バンドギャップ

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