ロードスイッチ
ロードスイッチ
MOSFETの代表的な応用分野で、車載・産業市場、AV機器やポータブル機器など、幅広い分野の電気機器に利用されています。
ロードスイッチとは、LSIやモータなどの負荷に対して電力供給ラインのON/OFFを切り替えるスイッチのことです。
ロードスイッチON時の突入電流とPch MOSFETの対策について
下図はPch MOSFETを用いたロードスイッチの等価回路図です。
ロードスイッチQ1をONした瞬間に充電しようとして、定常電流よりもはるかに大きな電流が一時的に流れることがあります。
このような過大な電流が流れることを突入電流(ラッシュカレント)といいます。
突入電流のピークは、入力電圧ViとMOSFET Q1のRds(on)と負荷側の負荷容量CLのESRでほぼ決まり、入力電圧Vinが大きくなるとその分、電流も多くなります。
突入電流が著しく大きくなった場合、誤動作やシステムトラブルを引き起こす可能性があります。
さらに、最大定格電流を超えた場合、破壊に至る恐れがあります。対策としてMOSFET Q1のゲート、ソース間に接続された抵抗R1と並列にコンデンサC2を追加しQ1のゲート電圧をゆっくり立ち下げることで、Rds(on)をゆっくり小さくさせることができ突入電流を抑制することができます。
■ロードスイッチ等価回路図
Nch MOSFETのロードスイッチON時の突入電流対策について
■Nch MOSFET ロードスイッチ等価回路図
Nch MOSFET ロードスイッチ:RSQ020N03
Vin=5V, Io=1A, Q1_1G=1V→12V
- Q2がOFFの時、ロードSWQ1がONする。(Q1のゲート電圧はVo(VgsQ1)以上にする。)
- Q2がONの時、ロードSWQ1がOFFする。
- Q1がONすると、突入電流が流れるため、対策としてC2を追加する。
ロードスイッチOFF時、電流の逆流について
ロードスイッチQ1がONからOFF した場合であっても、出力側の負荷容量CLによって、出力Vo 端子の電圧が一定時間残留します。
入力Vi側が出力Vo側より電圧が低くなった場合、MOSFET Q1のドレイン、ソース間に寄生ダイオードが存在するため寄生ダイオード通じて、出力 Vo側 から入力 Vin 側に電流が逆流する場合があります。
MOSFETQ1の電流定格を超えないように注意する必要があります。
入力バイパスコンデンサCINの容量値については、負荷側条件を含め立上りタイミングを十分検討してから決定してください。
■ロードスイッチ等価回路図
アプリケーションに最適なロードスイッチ用MOSFETの選定が簡易にできるツールを紹介します。