DACDAC 基本形3(温度計コード方式)
データの切り替わりの瞬間、まったく別の電圧(あるいは電流)出力になることがあり、出力アナログ信号に雑音が発生します。この雑音をグリッチと呼びます。このグリッチ回避策のひとつとして、温度計コード(サーモメーターコード)を用います。
温度計コードとは、『1がいくつあるかで数字を表現したもの』です。(人が数を数えるときに指を立てていくのと一緒)
グリッチを抑えることができますが、バイナリコードをサーモメーターコードにするデコーダが、分解能に応じて指数関数的な回路規模になります。
【温度計コード <抵抗モード>DAC例】
温度計コードを使った3bitの分解能DACの例です。
当然グリッチは発生しません。
【温度計コード <電流モード>DAC例】
いくつのセルで電流を引っ張るかで出力電圧Voutが決まる電流型DACです。
下図は8x8の64階調=6bit分解能の例です。
ピンクの部分が増えると、それだけRから引っ張られる電流が増え、Voutが下がります。
温度計コードで制御することにより、Voutにグリッチは発生しません。
上図電流型DACの、上下を逆にしたものです。
カスコード電流源とすることで、出力電圧の影響を受けにくく高精度化ができます。
出力可能な電圧範囲は減少します。