高周波ダイオード(PINダイオード)
■PINダイオードの場合
構造 | 記号 | 用途・特徴 |
---|---|---|
|
抵抗値の高いI型半導体から作られており非常に低い端子間容量 (CT) が特徴となっています。順電圧では可変抵抗のように働き、逆電圧ではコンデンサの振る舞いをします。その高い周波数特性(端子間容量が小さいため通信ラインに影響を及ぼさない)から高周波信号のスイッチング(アンテナを要するモバイル機器)やアッテネータ、AGC回路用の可変抵抗素子として使用されます。
順電圧 | 逆電圧 |
---|---|
順電圧では可変抵抗 |
逆電圧ではコンデンサ |
端子間容量 (CT) とは?
ダイオードの端子間に逆方向の電圧を加えたときの蓄積電荷量の値を端子間容量 (CT) といいます。P層とN層を接合するとホールと電子が結合し界面に電気的に中性な層、空乏層が形成されます。空乏層は寄生コンデンサとして働き、その容量値 (CT) はPN接合の面積に比例し、距離 (d) に反比例します。距離はP層、N層の濃度などにより設計されます。ダイオードに電圧をかけると空乏層は広がり CTは下がっていきます。使用するアプリケーションによりその要求CT値は変わってきます。
- ポイント
-
- 空乏層が広い(dが大きい)ほどCTが低い。