SPICE回路SPICEでなにができるの?
前項で、SPICEとは "電子回路のアナログ動作をシミュレーションするソフトウェア" と紹介しましたが、もう少し具体的に言うと、非線形DC解析、非線形過渡解析、そして線形AC解析の汎用回路シミュレーションプログラムです。
修正節点法と呼ばれる方法によって入力された回路を"キルヒホッフの電流則・電圧則"に基づいて方程式化(生成)し、素子の動作を表した理論・実験方程式(これをデバイスモデルといいます)を組み合わせて解いていくものです。
【デバイスモデル】
理論的あるいは実験的な考察に基づいて開発された解析式
シミュレートできる素子と要素は以下のものです。
- 受動素子(抵抗、コンデンサ、インダクタなど)
- 能動素子(ダイオード、バイポーラトランジスタ, MOSFETトランジスタなど)
- 伝送線路
- 各種電源
解析手法としては以下などが可能です。
- 過渡解析
- 直流解析
- 小信号交流解析
- 雑音解析
SPICEが登場するまでは、すべてが手計算でIC設計が行われていました。
しかし、製造技術の進歩によりICに搭載される素子数が飛躍的に増大することや、コンピュータの登場などにより回路設計の電子化をしていかなければならない素地もSPICE登場に一役かっています。
ちなみにケイデンス・デザイン・システムズ社の PSpice® は、PCで動作する始めてのシミュレータであり、メインフレームからPCへの変化に伴い登場してきたシミュレータです。
初めは電子回路のシミュレータとしてスタートしましたが、CPUの高速動作によりPCB基板の設計にもアナログ要素が必要となり、現在では高速な電気信号を伝送させる基板設計にも必須のツールとなっています。
- 電子回路設計用 (PSpiceモデル)
- PCB基板設計・検証 (IBISモデル)
回路シミュレーションについて(Tech Web)