トランジスタの種類アウトライン
トランジスタ代表形状
トランジスタ・マップ:動作機構の違いによる分類で、アウトラインをつかもう。
1. 構造で分ける。
動作機構の違いによる分類です。バイポーラトランジスタとユニポーラトランジスタに分けられます。
バイポーラトランジスタ
バイはBi(2つ)、ポーラはPolar(極性)の意味。トランジスタを構成する半導体を流れる電流が正孔(プラス極性)と電子(マイナス極性)によってもたらされるものをバイポーラトランジスタといいます。一般的にトランジスタといえば、シリコンでできていて、このトランジスタを指します。
FET
Field Effect Transistorの略で電界効果トランジスタのこと。接合型FETとMOS型FETおよびGaAs型があります。接合型FETはオーディオ機器などのアナログ回路に用いられることが多く、MOS型FETは主にマイコンなどのデジタルICに使用されています。GaAs型は、衛星放送受信などのマイクロ波の増幅に使用されます。
※MOS
Metal Oxide Semiconductorの略で、その構造が金属 (Metal)、シリコン酸化膜 (Oxide)、半導体 (Semiconductor) の順になっていることから、MOSと呼ばれています。MOSにはさらにP型、N型、C型があり、消費電流を小さくできるため、マイコンなどの集積度の高いICに使用されます。
2. 許容電力で分ける。
主に最大定格のコレクタ損失PCで分ける方法です。大別して小信号トランジスタとパワートランジスタに分類され、一般にパワートランジスタというとき、1W以上のものを指します。ロームは特に小信号トランジスタで業界No.1のシェアを誇っています。
小信号トランジスタ
最大コレクタ電流 (IC(max)) 500mA程度以下、最大コレクタ損失 (PC(max)) 1W未満のトランジスタ。パワートランジスタに対比してこう呼ばれ、一般的に樹脂モールドタイプのものが多いのが特色です。
パワートランジスタ
一般にパワートランジスタという時は、PC1W以上のものを指します。小信号トランジスタに比べ最大コレクタ電流、最大コレクタ損失が大きく、発熱に対しても形状も大きく、金属でシールドされていたり、放熱フィン付きであったりします。
トランジスタはトランスファー (Transfer:信号を伝える) とレジスター (Resistor:抵抗器) という二つの言葉の合わさったもの。このトランジスタをつくってるのがシリコンで、地球を形造っている岩石の中に多く含まれている物質。このため、トランジスタのことを通称「石」ともいい、設計者は、「…の石」という呼び方をよくします。
3. 集積性で分ける。
ユーザニーズに応え、ロームはディスクリートタイプ以外にもトランジスタを集積させた複合トランジスタを製造しています。抵抗を内蔵させたデジタルトランジスタ、トランジスタを集合させたトランジスタアレイ、簡単な回路を構成したトランジスタユニットなどが、これにあたります。
※デジタルトランジスタ
抵抗が組み込まれた抵抗内臓トランジスタ。回路設計で頻繁に使われる部分を標準化したものです。
4. 形状で分ける。
消費電力や実装形態などによってトランジスタの外形の大きさや形状が決まってきます。
大別して、リードタイプと面実装タイプに分けられます。