脈波センサ
脈波センサとは?
脈波は心臓が血液を送り出すことに伴い発生する、血管の容積変化を波形としてとらえたもので、この容積変化をモニタする検知器を脈波センサといいます。
先ず、心拍数の計測には、心電図法、光電脈波法、血圧計測法、心音図法と大きく4つの方法があります。
この中の光電脈波法が脈波センサを使って計測する方法です。
光電脈波法で使用する脈波センサには測定方法の違いから透過型と反射型があります。
透過型は体表面から赤外線や赤色光を照射し、心臓の脈動に伴って変化する血流量の変化を、体内を透過する光の変化量として計測することで、脈波を測定します。
この方式は指先や耳たぶなど透過しやすい個所の計測に限定されます。
ロームでは、反射型の脈波センサを開発しています。
反射型脈波センサについては以下にて説明します。
反射型脈波センサ
反射型脈波センサは、赤外線や赤色光、 550nm付近の緑色波長の光を生体に向けて照射し、フォトダイオード又はフォトトランジスタを用いて、生体内を反射した光を計測します。動脈の血液内には酸化ヘモグロビンが存在し、入射光を吸収する特性があるため、心臓の脈動に伴って変化する血流量(血管の容量変化)を時系列にセンシングすることで脈波信号を計測します。
また、反射光の計測なので、透過型のような、測定個所を限定する必要がなくなります。
赤外線や赤色光を使って脈波を計測する場合、屋外では太陽光に含まれる赤外線などの影響を受けてしまい、安定した脈波測定ができません。このような理由で屋内や半屋内に限定した用途での使用が推奨されます。
スポーツウオッチなど屋外使用する用途での脈波計測では、血液中のヘモグロビンの吸収率が高く、外乱光の影響の少ない緑色の光源が適していることから、ロームでは緑色LEDを照射光として使用しています。
脈波センサの応用
一般的に 脈波センサの測定で得られる波形から、変動の周期をみることで心拍数(脈拍数)を、赤外線と赤色光の2つの波長を使って脈動(変化量)をみることで動脈血中酸素飽和度(SpO2)が計測できます。
さらに脈波センサ測定の応用として、高速サンプリングや高精度測定に対応することで、HRV解析(ストレスレベル)や血管年齢など、さまざまなバイタルサインも取得できると期待されています。